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銀の嘴は絶望した。希望など欠片もなかった。何を信じることもできず、何を糧にしたらよいのか分からず、ただ己の心の弱さにばかり絶望し、身動きひとつ取れなくなった。
だから…逃げ出した。
獣として唯一心を許した南の御方にすら背を向け、闇へと堕ちた。

主にはじめて出会ったのは、銀の嘴が成獣して間もない頃だった。
世に生れ落ちておよそ一千年、銀の嘴がようやく迎えた成獣。
それはあまりに遅い羽化だった。銀の嘴は、突然己の手に余るほどの力を手に入れてしまったのだ。銀の嘴は拒否する間もなくその力に自我を圧され、精神に異常をきたした。
主が目の前に現れたのは、そんな時だった。

殺戮の虜になっていた銀の嘴を押しとどめ、諫め、力の抑制と制御の仕方を教えてくれた。優しく、時に厳しく根気よく銀の嘴を励まし続けてくれた。
最初こそ銀の嘴は生まれてはじめて接する人間の温もりに怯えたが、気付いた頃には主を何より大切に思うようになっていた。
銀の嘴にとって主は誰より賢く暖かで、何より気高く優しい人だった。
何を差し置いても守り抜くと誓った。

銀の嘴は主の元へ下り、主の為だけに生きることを決めた。

それよりさらに半世紀、銀の嘴は南の御方に出会った。やがて銀の嘴は南の御方を心底信頼し、心を許すようになっていた。
銀の嘴にとって南の御方は誰より強く鮮やかで、何より静やかで穏やかな獣であった。

逃げ出した銀の嘴。
振り返るつもりなどなかった。
全てを見限り、全てに背を向けて闇へ堕ちてきた。

『北の御方…。』
深い眠りに就こうという刹那、密やかな声が銀の嘴を呼んだ。それは紛れもなく南の御方の声であり、銀の嘴が聞き間違えるはずもなかった。
見捨てて逃げ出したのに、追いかけてきてくれた南の御方。
銀の嘴は心の中で血の涙を流し、南の御方の迎えを拒否した。

今更縋ろうとは思わない。
もうどんな希望をも必要としない。
そう、決めた。

『北の御方、ワタシは必ずや、この闇を払ってみせましょう。』

決めたのに。

『御方をこの闇から連れ出すためなら、どんな犠牲も厭わない。』

決意が、

『御方はワタシが獣の中で唯一心を許したお方です。その御方を救えるのなら、どんな努力だって怠らない。どんな小さな希望にだって縋りついてみせましょう。』

心が、

『どれほどこの闇が暗かろうと御方を感じることができるから、ワタシは立ち向かえるのです。ワタシは二度と後悔しない。全力で御方と主の幸福を取り戻すと、決めたのです。』

揺らぐ。
傾いで、ぐらついて、締め付けられる。
銀の嘴はとつとつと語られる南の御方の言葉に、ただ押し黙る。口を開けば慟哭しか出ては来ないような気がして。

『…一緒に、帰りましょう?』
『一緒に……。』
『ええ、これからはずっと…三人一緒です。今度こそ、揃って幸せになりましょう。』
力強い言葉。
何も恐れない、どんなに厳しい運命にも立ち向かえそうな、自信に満ちた声。銀の嘴は、歪む視界の彼方に南の御方の白く輝く翼を見た。

―…枯れ果てたと思っていた涙がひとつ、こぼれた。
落し物はなんですかー見つけにくいものですかー鞄の中も、机の中も、探したけれど見つからないのー……っと、意味不明なままに前回の続きを上げてしまった今日この頃。

なんだか文章が雑だなぁ…とか、思いながら。
話の内容が空っぽ、脈絡なし、登場人物の心理描写もまるで駄目っぽ。なぁんて貶せちゃう箇所は五万とある…orz

でも、そんな未完成の文章を上げてみるのもひとつの挑戦かと。
また書き直す日が来ると信じているから。
今までだって気に入らなかったお題は後々こっそり書き直してきたし(自己満足ー…)、だったら満足いってから上げろという話だけれど、未完成ながらも「現段階」ではそれが限界なのであって。

だから、「今は」この話を大人しく上げておこうと考えた。
書き直す暇はいくらでもある。
……ま、うん、他にすべきことの時間を割けば、いくらだって…あるさ(遠い目)

次はようやく主だ。ていうか、絶対終わらせよう(ぁ)
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