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「嗚呼、君の前では、この薔薇の美しさですら色褪せてしまうんだね。」
色んな意味で恥ずかしく、物凄い科白。
声の主は青銀色の美しい髪を持つ青年。梳られたその髪は太陽の光を浴びて尚一層輝きを増し、見る者の心を捉える。同じく青銀色の長い睫毛と、シミひとつないきめ細かな白い肌と、紅をひいたように潤っている唇。誰が見ても第一印象は「とびぬけた美人さん」である。

その青年に、ブリザードをも凌駕するだろう冷ややかな視線が送られた。見る者を凍りつかせるような、絶対零度の微笑。
「……―ばっかじゃねぇの。くっさ!だっさ!!お前、自分で自分が恥ずかしくねぇか?」
続いて投げつけられた言葉の刃。研ぎ澄まされたその刃からは、まさに眼前の青年を傷つけようとする意思がくっきりはっきり読み取れた。

しかし青年は動じた様子もなくへらりと笑って返す。そして手にしていた青い薔薇の花束を、尚冷たい視線を向けてくる少女に差し出した。
「やあ、こんにちは。君は今日もまた一段と綺麗だね。」
「失せろ。」
少女に花束を受け取る意思はまったく見られない。顔全体で不快感を露わにし、腕を組んで青年を睨みあげる。その瞳は深い緑。編みこまれた髪は深紅のビロードを広げたような、燃え立つ赤。
少女の瞳の中で緑の炎が舞いあがり、男を捉えた。
「いい加減、ここへ通いつめてくるのをやめたらどうだ。いいか、あたしはお前のことなんざちっっっとも好きじゃねぇんだ!」
ちっっっとも、にこれでもかと言わんばかりに力を入れる少女。青年は何が楽しいのか幸せそうにふわふわと笑って返した。

「君のその太陽のように艶やかで鮮やかな髪に似合うと思って、青い薔薇を選んだんだよ。…うん、とっても似合うね。とても、綺麗だ。」
「っぐ…ぅ。」
まるで人の話を聞いていない様子の青年に、少女は肩をいからせる。言いたいことが喉もとに詰まってしまうほど、気が昂ぶっている。…そう、怒りで。
青年は尚も続ける。

「けれどやっぱり、どんな薔薇も君には敵わないね。どんな宝石も、どんなドレスも、どんな言葉も…君には敵わない。」
「ばっ馬鹿かお前は!っ…そんな、恥ずかしいことを言うな!あたしは怒っているんだぞっ?分かってるのか、迷惑してるんだっ。」
「うん、怒った君も素敵だね。…ふふっ…顔が赤いけど、照れているのかな?君は綺麗なだけじゃなくて、とっても可愛いんだよね。」

顔が赤いのは怒りのあまりに頭に血が上っているからだ!!
そう叫びだそうとした少女の腕に、花束が押し付けられた。殴りかかってやろうかと、組んでいた腕を解いた瞬間の出来事だった。
少女は反射的に受け取ってしまい、呆然と青年を見上げる。
普段おっとりしている青年の電光石火の早業に驚いたのと、不意に頬にかかった手の平に身構えてしまったのと。

するりと頬を撫でられ、少女は勢いよく身を引いた。その腕に薔薇の花束を抱えたまま。
少女は薔薇を押し返すチャンスを失ったのである。唯一のチャンス、押し付けられてすぐに押し返せばよかったところ、一瞬の判断を見誤って退いてしまったのだから。

少女は内心舌打ちを禁じえなかった。
薔薇は薔薇。たとえ青年が自分に寄こした物だとしても、生き物を地へ投げ捨てるなんてことはできない。薔薇に罪はない。となれば仕方ない、少女は薔薇を抱えなおした。

「…っっら、来月の闘技大会は覚えてやがれ!今度こそ、お前をぎゃふんと言わせてやるからな!あたしはな、お前に負けたのをまだ根に持ってるんだ!!わかったか!首洗って待ってろっ!!」

ずびしぃっ!と指差して。少女は走り去った。
青年が訪ねて来たのは、少女のひみつの修行場で。青年のすぐ近くには、少女の荷物が放置してあって。とすればいずれ、少女は戻ってこなくてはならないだろう。青年は悠長に手を振って少女を見送った後、その荷物に目をやって、また柔らかに微笑んだ。

「……くすくすっ…男の子としては、やっぱり女の子にイイところを見せたいじゃないか。だから、負けてあげないよ?」

とりあえず荷物の番をしようかと、青年は荷物の置いてある木陰に腰かけた。鼻歌なんて歌いながら。
こんな一方的なカップル(なのか?)に萌えを感じる今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか、管理人伊勢崎です。

BGMは「鉄打ちの街」!これが一番ベストでした。これを聞きながら読んでもらえれば、さらにこのお題の世界観がイメージしやすくなるのではないかと思っています(ぐ)

少女を好きで好きでたまらない美青年と、青年を嫌いで嫌いでたまらない男勝りの少女と。こんなちぐはぐなコンビ(カップルというのをやめたらしい…)が好き(*ノノ)

青年は、少女がいわゆる「くさい口説き文句」を激しく嫌悪していることを承知で、ああいったやり方をしているのだと思いたい。生来青年はそんな風に女性を口説かない男なのだけれど、少女相手だとちょっと悪ふざけしてしまうというか…反応を楽しみたいというか…。
対する少女、腕っぷしだけには自信があったりして。月に一度開催される闘技大会では、いつも上位入賞者で…。けれどある日、一人の旅人(これが青年)に屈辱的な負け方をして、これをずっと根に持っていて。
ちなみに屈辱的な敗北というのは、女には手を出さないという理由で青年が少女との戦いに辞退を申し出たところ、それを自分に対する侮辱だと思った少女が食って掛かっただけのこと。結局少女の勢いに青年が押されて戦いは行われたが……一瞬でかたがついた、とか。
勿論、青年の勝利という形で。

青年が旅を中断して街に留まっているのは、ひとえに少女のためだと思いたい。そんなんだったら…素敵だなぁ…(妄想族ですんません)

と、今日は変なテンションでラブについて語らせていただきました。
しーゆーねくすとでぃ♪(すげーテンション高い…ていうか、誰/ぁ)
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