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―…光を謡う。

金色のカナリアを共に連れた旅人が、街の外れで高らかに光を謡う。幸福と喜びを。優しさと温かさを。人である以上一度は必ず望むものを、何処にでもあるあたりさわりない言葉にのせて謡う。
光の先に差す影のことなどまるで知らないその唄は、それでも荒んだ人々の心を惹きつけた。

街の外れにのさばっているのは、誰も彼も夢を捨てた者たち。
諦め、壊さざるを得なくて全てを捨ててきた者たち。
そんな彼らには生きる気力さえ残っちゃいない。

それでも本能というのは悲しいものだ。
座り込むか、さもなくば眠っているか…何もしなくても腹は減り、僅かな食糧を奪い合い、雨が降れば手短な酒場に逃げ込み、ただ酒を煽った。当然、金はないので追い出され、ボロ雑巾のようになるまで殴られ蹴られた。

夢も希望も…そんな言葉の存在さえ忘れた者たち。
彼らは突然現れた旅人の謡う光に日がな酔いしれ、中には新たな光を求めて再出発をする者さえ現れた。

「貴方って…あたしたちの苦しみをちっとも分かってないのね…。」

旅人がそこで謡いはじめて三日。
昼の日課になっていたいつもの唄謡いを終えた旅人の前に、一人の少女が立った。みすぼらしい襤褸を身に纏った、しかし美しい少女だ。
カナリアと同じだろう金糸の髪は煤け、白い手足は泥にまみれている。けれど、灰色の瞳だけは一寸の曇りなく光っていた。その少女の瞳が、目深にローブをかぶった旅人を無表情に見据える。

「強すぎる光は身を焦がすわ。…貴方の唄は、痛いほどの光を放ってる。……あたしは嫌い。」
「…君は、誰だい?」
「あたしが名乗ることに意味はないわ。何故って、貴方と口を利くのはこれが最初で最後。…そう、確かに貴方の唄で光を取り戻した人間だっているでしょう。けれど、貴方の光に耐え切れずに壊れてしまった人もいることを、貴方は知っている?」
「…僕は何をすればいい?」
「大の大人が他人に意見を求めないで。僕…ですって?はっ、余程お育ちがよろしいのねぇ。」

皮肉たっぷりに返すと、少女は旅人を睨みつけた。それは結構な迫力の啖呵のきりようだったのだが、対する旅人は萎縮する様子もなくことりと首を傾げた。ローブの下に隠れた表情は、見えない。

「僕は、確かに…唄謡いとして生まれて、11歳で施設に保護された。それからは何の不自由もなく育ってきた。…けれど、人の痛みが分からないほど愚か者じゃない。そう、思っている。」
「出て行って。」
「…どうして?君の命令を聞く立場に、僕はない。僕はここでひと月謡わなければならない。そういう命令を、僕は受けている。」
「あぁ、唄謡いは世界に光を満たすために謡っているんだったわね。それはそれはご苦労なことでございますこと。施設からの命令でしか動くことの出来ない木偶人形が、一丁前に口をきかないで頂戴。」
「僕は人形ではない。きちんと自分の意志でここにいる。…自分の好きな場所で、ひと月謡う。謡ったら、次の場所を探して、また謡う。…それが僕への…唄謡いへの命令だ。」
「貴方が、ここを、気に入ったと言うの!?笑わせないで!」
「ここは僕が生まれた場所と、とても似ている。ここは、とても好きだ。だから僕はここで謡うと決めた。誰にも僕の邪魔は出来ない。…施設の人間か、同じ唄謡いでない限りは。」

少女は拳を握り締め、ぎゅっと眉を寄せる。そして何か言いかけて、口を引き結んだ。目尻が赤いのは、今にも泣き出しそうな証拠だろうと旅人は考える。けれど気丈な少女は一度大きく深呼吸をすると、きっと顔を上げて精一杯の皮肉の笑みを浮かべた。

「好きで光を失った人間ばかりじゃないのよ。一方的に光を奪われた人たちに、貴方の唄は毒でしかない。」
「……それは君のことだろう。」
「―…っそうだとしたら何なの!?あたしだけじゃないわ!他にもそんな人たちはごろごろしてるわよっ!どれだけ望んでも、どれだけ努力しても、必ず奪われる。根こそぎ持っていかれる!その苦しみ…貴方には絶対分からない!わからないのよっ!!」

悲鳴じみた声で言い放つと、少女はきびすを返して走り去った。旅人はそれを無言で見送り、そして足元を見下ろす。
「僕にだって…望むものくらいあるんだ。…けれど、それは絶対に手に入らないモノだから…だから謡うんだ。」

利用されるだけ利用されて施設に捨てられた少女と、その施設に全てを奪われて自由以外の全てを与えられた青年の話。
先日、友人と飲んできました(また突然に変な出だし)
ヤケにハイテンションな一日だった…。

まずはファミレスに行き、それぞれの近況報告。髪伸びたねーとか言われたけれど、実感なし。そりゃ自分の事なんだから当たり前だろう、てか君達のほうが見た目変わっててびっくりしたぜ、とかそういう他愛も無い話で盛り上がる。

とりあえず、春休みは友人(現在帰省中)に東京を連れまわしてもらう約束を取り付けた。……なんでも、「暗黒街」と呼ばれている場所に連れて行ってくれるそうだ(ぇ)
もう一人の子には某漫画をすすめられた。高レベルで有名らしいレイヤーであるその友人曰く「登場人物がとっても可愛い」らしい。…うん、今日早速購入してみた(早ッ)
今度、アニメも見せてー(テレ東なので、見れない人/ほろり…)

さて、今回のお題の話(今更っ?)
嫉妬って、自分はわりと好きな感情。自分はあまりそれを持たない…もし持ったとしても表に出さない性格。故に、わりと素直にそういう感情を表に出せる人っていうのはすげーと思う。
と、いう感じで書いてみました(何)

と、今回のオマケBGMは『Happy Blessing』でお借りした『Southern cross』です。興味のある人は曲選択からチョイスしてみてください(へらり)
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