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神と呼ばれるようになったのはいつのことか。
………もう、覚えていない。
あたしはただ世界の「枠組み」と、その中で生活できるだろう「生き物」たちを作っただけ。…それ以上は何にも干渉していないし、干渉するつもりもない。それでも人は、災厄を神の御心と…小さな奇跡を神の御心と…全てを創造主が為せるものだと信じる。

あたしが手を翳すだけで、その世界は簡単に崩れてしまう。
だから遠目に眺めているだけ。
人々がどんな破滅の道を選ぼうと、それはあたしのせいではなく、彼ら自身の問題。あたしは破滅を救おうとは思わないし、たとえ思っても絶対に手を出しはしない。


「コルァー!!お待ちくださいやがれ、この、悪の根源がぁぁー!!!今日こそはきっっちり反省させてやるっ!!」
「あぁ、はいはい。反省した反省した、あたしは心から反省したぞー。これでいいかー?」
「よし、それでいい……わけあるかぁぁー!!お前は人をおちょくってんデスか!!神サマとして、それでいいのか!そんなんで、自分の子供ともいえる人間に顔向けできるのかぁぁー!!!」

ばたばたばたばた。
回廊を駆け抜ける騒がしい足音と、言葉の応酬。
この城では、既に日課ともいえるこの騒ぎ。二人の男女が終わりのない鬼ごっこをしているのを、城の使用人たちは微笑ましく見ている。誰も、止める気配はない。
そう、たとえ高価な壺が粉微塵になろうとも、高価な絨毯がびちゃびちゃに汚れようと、高価なドラゴンの額に「肉」と落書きされても、高価なマンドラゴラの口が全てテープで貼り付けになっていても。
…それでも誰も止めない。

逃げる女を捕まえられるのは、それを追う男だけだ。
女に説教し、後片付けをきちんとさせられるのも、男だけだ。

騒ぎの中心にいるのは二人の男女。
一人は自称「神サマ」。深紅の髪を靡かせ、涼やかに笑いながら回廊を逃げる絶世の美女。悪戯の数々の犯人であるこの女は、これでもこの城の主の座に就いている。
もう一人はこの「鬼ごっこ」で万年鬼を務め、隙あらば神サマを説教しようと日夜仕事に励む若き男。清廉な顔は、今まさに鬼の形相だ。

男は数百年前までは城の庭師だった。
しかし、その俊足と神サマを改心させようというやる気を認められ、今では神サマの世話役を押し付けられ……いや、仰せつかっている。それはもう心底切ない…いやいや、光栄極まりない仕事だ。

「顔向けできない…か。…なぁ?人間は、あたしに作られたことを快く思っていないだろうか?」
突然逃げる足を止めた神サマは、男に振り返った。
男は虚を突かれたようにして、立ち止まる。
また、距離は縮まらない。

「…どうしたんです?急に。」
「…いや、いつか聞こうと思っていてな。今思い出したから聞いてみた。……あたしには奇跡を起こせない。創造したからには破壊はできるが…それ以上のことも以下のこともできない。いや、できるだろうが、あたしはそれをしない。しないんだ。」
「人間には、神という概念はありますが、誰もそれが本当に実在するとは思っていませんよ。実在しない者に対してどうして怒れましょうか。」
「…そう、だが…。…なぁ、生きる以上はその大半が苦痛を伴うものだ。それは、人間に限ったことではない。あたしでさえ、迷走しながら生きている。……生まれさえしなければ、誰も苦しまない。」
「作ったことを後悔しているんですか?」
「そんなことはない。……ただ、人間はいつもいつもあたしに縋るように祈っては、絶望している。…あたしは、そういう奴らを助けられない。干渉するわけにはいかないからだ…。」

「………人間が、好きですか?」
「勿論。あたしは、人間を愛しいと思う。脆弱で幼くて、時に恐ろしいことを平気でやってのけたりするが…そういうのも含めて全て愛しいと思う。できることなら全ての人間が幸せになって欲しいと思っている。」
「…じゃあ、それでいいんじゃないですか?」

男はにっこりと、一人納得したように微笑む。
神サマは置いてきぼりをくらったようにひとつ瞬きをしてから、眉をしかめた。

「…どういうことだ?」
「そういうことです。」
え、もしかしてこの終わり方はまずいのだろうか…。
切り悪いですかね?(おろおろ)

と、まぁちょっとした不安はさておき(おくなっ)、前回のお題から引き続いて書いてみました「神サマサイド」です。いや、前回も今回も、特にどちらの視点というわけではなかったのですが…(苦笑)

さて、いつも追記でどうでもいいことを語ってしまう自分ですが、何故か今回は特にお話しすることがありません。…何故でしょうか。主張のない文章って、そんなのありなのでしょうか…。まぁ、でも書くことがないので早いとこ引き下がります。

あでゅー(/_o)
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