上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
俺は普通じゃない。ずっとそう言われてきたし、これからもそう言われ続けるだろう。俺は生まれたときから普通じゃなくて、死ぬまで普通にはなれない。

…でも、「普通」って何だ?

「おかしいよな。…おかしいよ、絶対。何でお前だけ参加できないんだ?皆行くんだぞ?どうしてお前だけ残るんだ?」
「ただの修学旅行だろ。疲れるだけだし、俺は行きたくない。別に構わない。」
「俺が構うんだよ!これって差別っていうんじゃねぇのかっ?差別って、ちょっと前に施行された法律で、もうなくなったはずじゃないのか!?」
「まだ世間には受け入れられて無いんだ。」
「そういう問題か!?…だっ、て…法律、だぞ!?」

ばんっ、と机を殴りつけた友人の拳が赤くなった。

…俺は、混血で。目の前のコイツは純血で。
俺が混血なのだと知っているのに、はじめて会ったその日からこんな調子で…俺のためにいちいち怒鳴ってくれる。
法律改正の時もえらく喜んでくれて、うちの家族とぎゃーぎゃー騒いでたらふく飲んで食って、倒れたくらいだ。親父もお袋も、コイツのことをえらく気に入っていて、それで…だからこそ、コイツが混血の俺と親しげにしているのを…少し案じている。

それでもコイツはそんなこと全く気にしないし、俺もそう思うようにしている。
「友人」と、そう呼べるただ一人の純血。俺には混血の仲間が沢山いるし、そいつらは純血を憎んでいるが…俺にはコイツを憎めない。むしろ、その仲間たちよりも大切に思っている。

友人は低く唸り声を上げ、飲み干したジュース缶を力一杯握りつぶした。俺は思わず呆れ半分笑ってしまう。
「…お前って、そうやってすぐ力に頼ろうとするよな。黙ってれば物静かな秀才に見えなくもないのになぁ。あぁ、勿体無い…。」
目尻の涙を拭う俺に、友人は眉を吊り上げた。
「誰の為に怒ってると思ってんだ!!笑うなー!」
「ははっ…あぁ、すまな…あははは。」
「おい!お前本当に分かってんの?こうなったら俺が直談判して…。」

「馬鹿。よせ。これ以上お前が外れ者になるのは俺が困るからな。頼むから馬鹿言ってないで、大人しく旅行でもなんでも行って来い。」

唐突に声のトーンを落とした俺に、友人は歯噛みして、浮いた腰を落とした。そうして拳を握り締める。
「だって…こんなの…おかしいだろ…っ!」
「おかしくない。誰だって自分と違うものには恐れを抱く。」
「だって…お前たちなんにも悪いことはしてないじゃない、か。」
「そういう問題じゃない。内面的な問題だ。それに……」
それに。

友人が顔を上げて睨みつけてくる。
「それに…何?また混血を卑下するのか?ぇぇ?俺がそういうのムカつくの知ってるよな?」
俺は、笑う。

それに。
「…それに、混血は悪じゃないと分かってくれる奴が傍に一人でもいれば、俺はそれで充分だ。」
先日、風邪をこじらせて弟が死んだ。医者を呼べば治る病気だったが…生憎と混血に医者はいない。なれないからだ。…法律の力に手を借りて、医者を呼ぼうとした両親だったが、純血は誰も耳を貸してくれなかった。

コイツにはまだ言ってない。
言ったらまた、きっと怒り狂うだろうと思うから。

今、混血たちは。法律の力などまるで役には立たないと、国に申し立てを行う算段を整えている。
……これが、更なる歪みを生むことにならなければいいと、俺は思う。何だか胸騒ぎがするんだ。

…「普通」って何だ?どうしたら少しでも普通に近づける?死ぬまで普通になれないのならば、せめて近付きたいと思うのは…反発せずにどうにか譲歩しあえないかと思うのは…俺だけなのか?

友人は俺の言葉に照れくさそうに笑って返してくる。
「くさいこと言うなよな!」
叩かれた頭を擦りながら、俺も笑う。

この胸騒ぎが、単なる杞憂であることを祈って。
ブログの更新と共に上げようと思っていたお題のひとつ。
それと共に、前回の#12もごっそりと書き換えてしまったり(ぁ)
いや、正直気に入らなかったんで…。

書き直したら気分もすっきりしていい感じです(自己満足)

さて今回、ブログ更新時に「音楽流したいなぁ…」と思ったので、思い切って流してみることにしました。選択式なので、通常では流れないようになっているはずです……多分(自信なしッ?)

へぇー…書き直したの?と思い、#12をもし読んでくださる方がいましたら一曲目の「願い星」を流してください。あ、勿論流さなくっても…(どっちだよ)
このお題の世界観と曲調が合うように、エンドレスしながら書いていました(笑)好きな曲です。

選択曲の三曲は、いずれも『Happy Blessing 』でお借りしました。
澄んだ音色の素敵な曲が多いので、宜しかったら是非…。
おすすめは「雪上の少女」です(ぐっ)…本当はブログで使わせていただきたかったのですが…容量の関係で弾かれましたorz

あ、もうとっくに読んでしまわれた方は仕方が無いのですが…#13、今回のお題では三曲目の「桜の落ちるとき」を聞きながら書きました(へら/そういうことは最初に言いなさい)
少し切ない曲ですが…そこがまた素敵です。
もし、宜しかったらこちらも聞いてみてくださいませ(礼)

混血。世の中には様々な小説や漫画がありますが…混血という存在は「物珍しい」ものであったり、「禁忌」と呼ばれるものが多いですよねぇ。
混血と相反するのが純血ですが、全く別種の純血と純血が混じることによる「禁忌」って、自分の中ではちょっと疑問を投げかけたいもののひとつです。

純粋なものと純粋なものが交じり合って生まれたものが、純粋でないものになるなんて、おかしいと思うのです。
黒と白が交じり合えば灰色になる。赤と青で紫。
灰色も紫も綺麗だと思います。
これもまた、新しい別の「純粋」なのではないかと…。

ははっ、まぁ、屁理屈ですけどね(苦笑)
スポンサーサイト

Comment

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

Trackback URL
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。