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ぽたん。
ぽたん、ぽたん、ぽたん、ぽつん、ぽつん、ぽとぽとしとしと…。
さぁぁぁー……。

「……降って来ましたえ。川が氾濫する前にお帰りなさいまし。」

格子窓の外。
胸がすくような、さらさらとした雨が地上へ降り注ぐ。
漆黒の装束から白い手の平がすらりと格子の外へ伸ばされ、またすぐに引かれた。女は雨空を見上げ、具合が悪そうに溜め息をつくと、正面で優雅に湯飲みを傾けている男にすいと視線を流した。
女が降雨を知らせると、男は穏やかに微笑んだ。

「あぁ、確かに…。まいったなぁ…僕は今日、傘を持たずに出てきてしまったんですよ。」

男は、大して参っていないように眉を寄せると、僅かに首を傾げ、緩やかに自分の顎を撫でた。
その、指のすらりと骨ばっていて美しいこと。
女の白魚のような指先には及ばないが、それでも日々刀を手にして戦っている男のそれは、とても美しかった。
困ったような男の微笑に、女は極上の微笑で返す。

「まぁ、それはえらいことや…。わてにあんじょう任しておくれやす。」
「すみませんねぇ。のんびりお茶など飲んでいないで早くに退散すればよかったですね。…お気を使わせてしまって申し訳ありません。」
「…くすっ…何を言わはるんやろか、このお人は…。お引止めしたんはわてどす。旦那さんが無事に川を渡れますよう、しっかり手配させてもらいますんで、お待ちくださいねぇ…くすくす。」

ほっそりとした白い首筋に、ゆっくりと落ちてくる後れ毛をついと指先でかき上げると、女は音もなく立ち上がった。
格子窓とは反対の襖の外、細く鳥のように美しい声で何事か呼びかけると、すぐに小姓が駆けてくる。
しばらくそうして何事か二人が会話を交わしている間、男は窓の外をぼんやりと眺めながらひとつまみの小さな和菓子を口にして、そしてまた湯飲みを傾けた。
そうこうしている内に、女が装束をするすると引きずって歩み寄ってくる。それを男はじっと見つめ、それからにっこりと微笑んだ。
女を手招き、近寄ってきたその耳ともで、声をひそめて口を開く。
この部屋には誰もいない。
誰も二人の会話を聞く者がいないのに、男は童子のやるようにして手をそっと、女の貝殻のような耳元へあてがった。

「あのですね、とてもとても昔の文献に載っていた言葉なのですが…。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…って言葉がありましてね?僕、この言葉、とても気に入ったんです。それでその形容は、貴方にとても似合うと思いました。」

秘密を打ち明けるようにそっと音にされる言葉たち。
まるでそれがとても大切なことだというかのように楽しげに囁き、屈託なく、静かに微笑む男に、女はことりと首を傾げた。

「立てば…芍薬…?座れば…」
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…ですよ。つまり、立てばまるで芍薬のように美しく、座っていても牡丹のように可愛らしく、歩いている姿はまるで百合の花のように可憐だと…そういうことですよ。」
「……まぁ。まぁまぁ。それは…最上の殺し文句ですわいなぁ。旦那さんもうまいこと言わっしゃる。」

突然ころころと楽しげに笑い出す女に、男は困ったように笑う。

「あれ、おかしかったですか?素敵な言葉だと思ったのですが。」
「…ほんに、純粋なお人ですわいねぇ、旦那さんは。」

次は女が困ったように笑う。
するりと男の首に腕を回して、ことんと頭をその肩に落とした。
男は女のさせたいようにさせ、空になった湯飲みを置いた。

「雨…止みませんねぇ、旦那さん。小姓に聞いてみましたんやけど、渡し船、今日はもう出せそうにないそうですわ。…雨も然り、船頭がうちの女衆に酒を勧められて、そのまま潰れてしもうたんやて…くすくす…馬鹿なお人やわいねぇ…。」
「それは…大変ですね。彼は大丈夫なんでしょうか?」
「心配せんでも平気どすえ。きちんと介抱しますよって。…それから、旦那さんはここへ泊まっていかはるでしょう?」
「……ぅーん…お邪魔していてもよいですか?」
「勿論。」

この部屋の時計の針は壊れている。
いや、確かに正確に動いてはいるが、今だけは壊れている。
そう、雨が止むまで。
船頭が長い眠りから目覚めるまで。

男は微笑み、女は笑う。
……(撃沈)
友人に、「次の御題は和風なカンジにして欲しいなぁ★」と物凄い笑顔で押されて奮闘したものの、ことごとく脳細胞が死滅シマスタ(極笑)
きぃやぁぁー!責めるなっ俺を責めないでくれー(脱兎)

これはファンタジーな御題のはずっ!
そう、ファンタジー!幻・想・文・学!(何)

……どこが幻想的なのか、甚だしく謎(きぱっ)
それでも注文は果たした…そう思ったのも束の間、これを書いて欲しいといった友人は開口一番「……エロい(すぱっ)」と切り捨ててくれた(めそ)
どこがエロいんだっ!何にもしてないぞっ(ぁ)
よく見てみてくれ、特に目立って絡んでないだろう!
…抗議してみるも、友人の第一印象は覆らなかった。

ブログに上がっているのは、便宜上カットした不完全版である。
完全版を友人には見せていたのだが、「あのなぁ、長くなるから、ここ、削ろうと思うねん。」と言ったら「……いいんじゃねぇの?」と言ってくれたので、削ってみた。

何故、女は雨が降って来たばかりですぐ川が氾濫することを気にしたのか。
二人がいるのはどんな部屋で、どんな建物で、また、建物はどのような立地条件にあるのかなどの記述を主に削ってみた。
これによって、ただでも薄いファンタジー性が薄れてしまうかと思ったけれど、友人が「いや、これでも充分だろ」と言ってくれたので信じてみる。

…大丈夫かなぁ(ぇ)
ともあれ、注文は果たした。貰ってやってくれ。
コピペでも何でも好きにするがいいさ(威張るな)
ネタのなかった自分にネタをくれてありがとう、友よっ(何)
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