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涼やかな風が一陣、耳元をかすめてゆく。
同時に、雲の波間から月が意図したかのように現れる。
そら美しい、極上の満月。

力強く逆巻く風が、どこまでも煩わしい。
何の価値も見出せない今日のこの日。体中の組織という組織が死滅しつつある、今日のこの日。
何の感慨もなく、目の前に広がる馬鹿でかい世界から目を逸らして。ただ項垂れて、足元を見つめる。森を過ぎゆく風の音は、喧しくて。目に映る全てのものが、苛立たしくて。

約束は守れない。
己を追ってくるかと尋ねた、あの真摯な瞳には応えられない。

「主よ、どうかご無事で。」
「ああ。分かっている。」
こうして、自分たちは呆気なく白々しい永遠の別れを告げた。
自分たちは、もう二度と会いまみえることは無いだろう。お前を行かせた先には、お前では到底勝つことのできないモノがいる。自分は、お前を見殺しにする。
そうして自分といったら、今まさに首を狩られようかというところ。身体は既に動かない。

せめてもの救いは、この世に生を享けてよりずっと共に歩んできたお前の、その死に様を見ないですむということか。
漆黒の美しき獣。月光の下、輝く毛並みをなびかせて。
お前は…お前はあたしに、ただ唯一愛情をくれた存在。

身体は既に言うことを聞かないが、それでも戦おう。
あたしがお前を呼ぶ声を、お前が待ち望んでくれているのなら、あたしはせめてこの場所でお前を想おう。
お前があたしの為にアレに牙を剥いて戦ってくれているのなら、あたしもまた目の前のコレを、命を懸けても殺してみせよう。

あたしは帝への忠誠を。
お前はあたしへの忠誠を。
共に歩んできた、長き生涯。

さぁ、戦おう。
構える。不自然に折れ曲がったソレを。歪んだあたしの顔を映し出す、赤に濡れたソレを。
約束は守れないが、まだこの手の内にあるものは、光る。

お前はあたしを憎みながら死んでゆくだろうか。怒りに顔を歪めて死にゆくだろうか。
いや…それならば、どれだけ気が楽だろうに。分かりきっていることだ。
つまらない懺悔はしない。あたしが自分で決めたこと。あたしの命は帝に捧げると。

どこまで傲慢。
お前は必ずやあたしを想って死ぬだろうに。それが、何より心に痛いのは、主としてあってはならないことなのに。

最期に見たのは、雲の波間から零れ落ちてきそうな、巨大な月。
最期に想ったのが帝でなくお前であったことは、主としてあってはならないこと。
あたしはこの秘密を、地獄の底のそのまた底まで持ってゆく。
お前を送り出すとき、懺悔はしないと心に誓ったけれど……すまない。こんなあたしが主で、すまなかった。

…ありがとうと、言わせて欲しい。
一度も、言ったことがなかった。
この間、過去書き溜めていた有象無象を整理していたら、皺くちゃのルーズリーフが出てきた。未分類のそれは、何だかとても…非常に「ただのゴミ」っぽかった(ぁぁ)
で、迷わずゴミ箱へ放り投げようとしたけれど…裏表とも、びっちり何かが書き込んである。思わず捨てるのをやめて読んでみることにした。

Σ読んでビックリ。書いた覚えのない話だった!(まさか)
いつ書いたのか、まるで分からない。でもその汚い字は間違いなく自分の字。やたらと書いたり消したりしてある。
ひとつのことに集中できない自分としては、珍しく書き込んである。
でも、単語だらけで意味不明。書きたいことがどれなのか分からない。自分で書いたものらしいので少しは分からなくもないが、やっぱり分からない(駄目ダメ星人)

読んでいるうちに、いたたまれなくなって速攻手直し(笑)
少しは良くなったはず。少なくとも自分はそう思うので。
4つめのお題として上げてみる。
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