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昔々のことでございます。

深い深い森の、そのまた奥。
そこに、名もない小さな集落がございました。
主人公となるその青年は身寄りがなく、物心ついたときには既に独りきりでございました。
風通しのよい粗末な家と、ツギだらけの襤褸い服。
その日食べるものにも事欠く大変苦しい生活ぶりで、青年は誰の目から見ても明らかに痩せ衰えておりました。

けれど青年は信じておりました。
信じてひたすらに耐え忍ぶことが出来れば、世界は如何様にも拓けるのだと。

白羽の矢が立ちました。
青年が、村のために大蛇に捧げられることとなったのでございます。
青年は嘆くことをしませんでした。
こんな時にこそ微笑んでいよう…こんな時だからこそ強くあらねばと考えたからでございます。

青年は生まれてはじめて白い飯を口にしました。
青年は生まれてはじめて清らかな湯殿で体を磨きました。
青年は生まれてはじめてツギひとつない美しい衣を授かりました。
青年は生まれてはじめて柔らかく暖かな寝台で横になりました。

生贄とされた青年は、最期の日を至福な気持ちで迎えました。
そして、満たされた気持ちで終えたのでございます。

あくる朝、青年は深い深い穴に落ちてゆきました。
たくさんの人の手に突かれて、落ちてゆきました。
ひたすらに暗くどこまでも冷たい闇の中を、青年はまぁるい空を見仰ぎながら落ちてゆきます。穴の入り口はぽっかりと明るく、青く輝いておりました。

青年は瞳を閉じます。
最期に見た景色がとても美しかったのが、嬉しかったのです。
青年は最期まで嘆くことをしませんでした。
それが何ものにも勝る「強さ」の証だと識っていたからでございます。

青年は信じておりました。
信じてひたすらに耐え忍ぶことが出来れば、世界は如何様にも拓けるのだと。
逃げず戦う強さより、青年は耐え忍ぶ強さを信じておりました。

せめて最期だけは安らかに。
青年は人知れず微笑んで、闇の彼方へと落ちてゆきました。

おしまい。
フライングだ…!!
おっそろしいことをやってしまった…(@△@;三;@△@)!

だって、思いついたらどうしても書きたかったんだもの!忘れないうちに書き留めておく必要があったのだもの(ばしばしと机を叩き)!!
でも#27から#33までのお話は、既にそれぞれ下書きを半分以上終えている状態……だったらこれを上げるのはもうちょっと待ってからでもよいのではと思ったのだけれど…でも、突発的に上げることにした。

そのため、これを上げた日付はとんでもない嘘っぱち。
だってこれ、本日6月6日から見ると未来の日付だし。

今日は、2006年6月6日。
知っている人は知っている、悪魔の日。
666…この数字は最初で最期。(最期は誤字じゃないデスよ/何)
これからのち、どれほど時間を重ねようとも、また再び6がみっつ並ぶ日は来ない。2066年6月6日ではいけない。2006年だからこその意味ある数字の羅列。

記念すべき悪魔の日のお題は『慈愛』。
大丈夫…青年はこのあと穴の底へ辿り着き、束の間の眠りから覚めるのです。穴の底にあるのは破滅と絶望ではありません。
信じた青年は救われるのです。
穴の底にあるのは再生と希望。

そういうこと。
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